296 名前:専守防衛さん 投稿日:04/05/09 19:57
その日の午後後段 教練をしている。ここでは三島はまずまず
むしろ1、3選抜がかかる、若手の方がへたである。それを見ていた先任と中隊長「二週間もあれば矯正され、見れるだろう、教練は問題ない。やはり」「はい、三島ですね」
297 名前:専守防衛さん 投稿日:04/05/09 20:02
「イテテ、完璧筋肉痛だなぁ」と痛がる三島に飯島士長が「ワックキラーも形無しだなぁ」とケタケタ笑いながら言っている
その言葉に反応し「あっ、そうだ、電話しなきゃ」と携帯片手に消えて行った
298 名前:専守防衛さん 投稿日:04/05/09 20:08
ちゃら〜ん。携帯が鳴る「はい、今晩は、青木です」「三島だよ〜遅くなってごめん」
「いえ、電話来ただけでも、嬉しいです」三島の電話の相手は記念日支援で知り合った青木と言うワックだった
「青木ちゃん、ごめん!」
299 名前:専守防衛さん 投稿日:04/05/09 20:12
三島と青木は今週土曜日趣味の事で遊ぶ予定だった「実は各カクシカジカで遊ぶの無理なんだよ」青木は「おめでとうございます、頑張って下さい私、合格祈ってます、試験終わったら・・・私、三島さんに会いにいきます、お疲れ様会しましょう」
300 名前:専守防衛さん 投稿日:04/05/09 20:16
三島は嬉しかった。応援してくれる人がいる。それが女性であり自分ごのみの顔
青木も三島を多分気にいっている 嫌、間違いない
記念日の日別れ際、口を濁していたのは、あれは、告白に違いない
301 名前:専守防衛さん 投稿日:04/05/09 20:22
三島から告白しようかと思ったが、青木は3曹
三島は士長 自衛隊にいるうちに付き合うのは疲れそうだ。さらに少し遠い駐屯地にいる事を考え止めたのだ。あの時青木が躊躇せず、告白してたらどうだったろう?そう考える日も多くあったが・・・今では懐かしい思い出だった
302 名前:専守防衛さん 投稿日:04/05/09 20:27
「俺、試験、頑張るよ。その為には、今から、やらなきゃ!挫けそうになったら、声、聞かせてくれるかな?」「私でよければ、時間気にしないでいつでも。」と青木
「ありがとう、頑張るよじゃ、試験後会おう」と電話を切る
顔をパンと叩き机に向かう三島だった
303 名前:専守防衛さん 投稿日:04/05/09 21:25
その頃・・・ 先任の家 「はぁ〜」と溜息を付く「な〜に、溜息なんか」と奥さんに言われる。「嫌なぁ、なんか仕事に悩み多くてなぁ、無事定年なるんだろか?」「まぁまぁ、あまり悩まないではい、ビール」グビッ、プハー
旨い。
304 名前:専守防衛さん 投稿日:04/05/09 21:31
「はい、つまみ」と奥さんがもって来たのはブリの煮付けだった
「出世魚か・・・」まぁ悩んでもしかたがない
その日先任はビール瓶二本飲んで寝たのだ。
家庭の先任編 完 引き続き本編を楽しみ下さい
305 名前:スキップ・ビート 投稿日:04/05/10 11:06
番外編・外止め・・・
「しかしこのオレに外止めは死刑宣告に等しいよなァ〜!」ここは三島の住む営内班、三島は柳沢と「Zガンダム」で遊んでいた。
「ホント、2週間くらいじゃ体力は変わンないっスよね」
「だろ〜?だいたいオレは陸曹ンなるなら2任期終わってからって決めてンだよね・・・あっ、シールド取れちったよ」
三島はネモ、柳沢はハイザックで対戦していた。
「シールドの無いネモ、恐るるに足らず!・・・なんで2任期終わってからなんスか?」
「この野郎、ミサイルランチャーばっか撃ちやがって・・・いや、やっぱ満期金だろ。あとオレは音楽祭りの支援に行かにゃならんのだ」
二人ともジョイスティックを使っているあたり、このゲームのやり込み具合を表している。
「やっぱ陸士の方が行き易いんですか?・・・あ、そろそろ点呼っスよ」
「そろそろ止めっか。この前は陸士が多かったからね。ヤナギ君、点呼終わったら飯買って来てくれよ」
外被を着ながら三島は言った。その時スピーカーから音楽が流れてきた。
「なんだコリャ?」柳沢は天井を見上げる。
「あァ、<スターシップ・トゥルーパーズ>だな。永嶋士長が当直だろ?自衛隊に長く居るとなんでもアリになるから恐いよ・・・」
永嶋士長は飯島士長と同期で先任士長だった。音楽が小さくなって、「1中隊、点呼ォッ!!」と聞こえた。
「狂ってますねェ!」柳沢は嬉しそうに言った。「全くだ」こうして営内の夜は更けていくのであった
外止め編、不定期に続く・・・
310 名前:専守防衛さん 投稿日:04/05/15 11:56
四月も終わりに近い 先任は休暇前の服務教育の為の資料を揃えていた。
「師団では前年飲酒運動が多いなぁ」とつぶやく
「本当だ、凄い」横から口を挟む田浦3曹
なんかすっきりして見える。「うちは大丈夫かな?」と言う先事件は起きた
311 名前:専守防衛さん 投稿日:04/05/15 12:02
事件の内容をつげる電話がなる 「スピード違反
国道501号線で33キロオーバー」先任は一瞬青ざめた
「うちの中隊ですか?」と聞く 電話の先は「嫌、本管だよ」と
先任の顔に安堵の表情がみなぎった
312 名前:専守防衛さん 投稿日:04/05/15 12:41
事件を起こしたのは本管の陸士長だった
そいつは今回の陸候の一次を通過していた。情報は一気に連隊をかけ巡る「あの人らしいよ」「ウッソー、あの人今回3連続で一番の本命だったのに、もったいない」
それを聞いた中隊長。「笑い事ではないが。うちの三島にさらに運が巡ってきたな」と一言
中隊本部でも皆口を揃えて言う「運がきた、三島に運が来た」さて、2次試験は連休明け一週目
どうなることやら
315 名前:専守防衛さん 投稿日:04/05/16 09:04
赤城の声が響く「右向け〜左!あっ!訂正、右むき〜!あっ!」「はい、やめ!」ここは駐屯地グランド
試験を控えた三島らが、教練の練習をしている
赤城もすぐに朝霞などに行く事もあり実験的に分隊長動作わさせてみた
317 名前:まいにちWACわく!その95 投稿日:04/05/18 19:58
事務所からでも分隊教練の声が聞こえてくる「あ〜失敗…慌てるからダメなんだよな」と田浦3曹がつぶやく
「やっぱり若いと力が入るからな。もっと冷静に周りを見る事ができたら失敗なんかそうそうしないんだが…」同じく先任もつぶやく
「で、今回はどうですかね?」「受かりそうな人間か?」お茶をすすり先任が答える
「まず鈴木は90%受かるな。あいつは学科も5番だったし2次の課目でも全く危なげない…何より中隊長が押してるからな」3小隊「レンジャー」鈴木士長の事だ
「次は田中…もういい加減受かってもいいだろう、次の演習も不参加だよな?」「で、自分が中隊長ドライバーです。あいつもいいかげんカミさんにいい知らせを持っていってやらないと」
「れいの奥さんか…」「そうです、例の『かなた』さんです…」そう言ってクスクスと笑う田浦3曹、先任もつられて笑う「田中かなた…か、回文だもんな〜」
「あとはどんぐりだな、三島は当落ぎりぎり…」ため息をつく先任「それは仕方ないです。でも今回受かったら赤城と一緒に入校ですもんね〜気合いも入るでしょうね」と田浦3曹
訓練Aの中島1曹が「後期だけだがな」と突っ込む「そう!知らなかったんですよね…」と頭を掻く田浦3曹
「こないだ2次の練習をやってる連中に『受かったら半年赤城と一緒だぞ』ってハッパかけたんです。まさかWACは朝霞に行くとは…」う〜んとうなる田浦3曹
「おかげで『嘘つき』って言われました。いやいや知らない事ばっかりで…」
「合計5万4千とんで52円!」と突然、給養の川井2曹が叫んだ「!…何ですか?」田浦3曹が怪訝な顔で振り返る「こないだの桜祭りの純利益だよ!今までで最高かもな」
先任が嬉しそうに言う「赤城を客引きに使ったのが成功だったか?」
318 名前:まいにちWACわく!その96 投稿日:04/05/18 19:58
時はさかのぼって4月あたまの日曜日…
駐屯地が一般開放され、民間人のお客さんが多数やってきて花見をしている。自衛隊の駐屯地は隠れた桜の名所なのである
そんな中、隊舎の調理室に田浦3曹と赤城士長がいた
「…頼むよ、赤城」「でも…恥ずかしいです」「大丈夫だって、お願いだから…」「…わかりました」そう言って作業服の上を脱ぐ赤城士長…
「…お〜似合うね!」先任が入ってきた赤城士長を見て嬉しそうに言う。田浦3曹に頼まれ、赤城士長は後に「祭」と書かれた派手な法被を着ていた
「ちょっと派手じゃないですか…?」恥ずかしそうに肩をすくめる赤城士長「目立ったら勝ちさ、派手に頼むヨ!」そう後から来た田浦3曹が言う
「じゃ、高木2曹の所に行って手伝ってきてくれ」そう先任に言われ、赤城士長はタタッと駆けだしていった
「さて…あと何人か売り子を確保してきてくれ」そう先任が言う「わかりました」と言って田浦3曹も駆けだしていった
営内に戻り手の空いている陸士を何人か連れて、中隊の焼き鳥屋までやってきた「いらっしゃ〜い!」明るい声が響く。赤城士長が客引きをしていた
「何だ、嫌がっていたのにノリノリじゃない」苦笑いする田浦3曹につられて笑う赤城士長&若い陸士たち
「よぅし、おまえらさぁ働け!」手を叩き若い連中にハッパをかける田浦3曹
こうしてみんな客引きを頑張り、今までの祭りで最高の売り上げを記録したのだった…
319 名前:まいにちWACわく!その97 投稿日:04/05/18 19:59
「ふっふっふ…半年分のコピー代が浮いたぞ」先任が売上金を見てほくそ笑む「なんか、人相悪いっスよ…」ちょっと引く田浦3曹
「まぁこれも赤城のおかげってそう訳で…アイツが真っ先に客引きに頑張ったから、若い連中も乗ったんですよ」そう言うのは川井2曹だ
「戦力になってきましたね」嬉しに言う田浦3曹。その戦力はグランドで号令調整に声を張り上げている
「まわれ〜みぎっ!」「まわれ〜みぎっ!」
「ささげ〜つつ!」「ささげ〜つつ!」
グランドの端と端に別れて2次受検者が声を張り上げている。「号令調整」と言われる「声を出す訓練」だ
グランドには他中隊も展開、訓練している。砂場で走り幅跳びをしてる中隊、駆け足組もいる。彼らが全部ライバルなのだ
「さて、ちょっとパジェロの点検してきます。明日から演習なんで…」そう言って田浦3曹は立ち上がった「たった4日の演習か〜こんな時期に…」中島1曹がぼやく
明日からGWの前日まで射撃演習だ「田浦、休暇証は演習に行く前に書いていけよ!」そう先任が言った
320 名前:まいにちWACわく!その98 投稿日:04/05/18 20:00
ポン…ポン…とLAMの縮射弾が300m先の的に向かって飛んでいく。ここは演習場内にあるRR射場だ
3人の射手が並んで縮射弾を撃っている。赤城もいる、命中率はあまりよくないようだ
「縮射装置は重いからな」双眼鏡で的を見る中隊長が言う。頭の鉄帽に赤白の「射場指揮官」覆いを被している
「持ちきれませんかね?」そう言うのは田浦3曹、同じく双眼鏡で的を見て採点している「土嚢があるから依託すればいいのに…」
「怖がってるんじゃないか?力が入ってるな。あれでは演習弾どうなるか…」そう心配するのは神野1曹だ。「安全係」の青い覆いを被っている
「110mm携帯対戦車弾」通称「LAM」は使い捨ての対戦車火器である。本体自体が弾薬のため練習には「縮射弾」と呼ばれる小さい(それでも18mmはある)を撃って練習する
縮射弾を撃ち終わり次は実弾射撃。井上3曹は対戦車りゅう弾、それ以外は演習弾だ。その前にしばらく休憩となった
「どうだ?調子は」田浦3曹が赤城士長に声をかける「やっぱり緊張しますね〜」そう言って笑う
「緊張すると弾がどこに飛ぶかわからないからね、気をつけてね」「ハイ!」「当たったら何かおごるよ、何がいい?」
少し考えて「同期を2人呼んでもいいですか?『アーティラリー』で飲み会おごってください!」
「え?う〜ん…わかった!」男に二言はない、とばかりに胸を叩いた田浦3曹であった
そして本番…赤城士長は2射群だ。全部で4射群あり、最後は井上3曹一人だけで鉄板の的を撃つ。まずは第1射群の射撃をみんなが見学する
「射手、目標正面の的!立ち撃ち第1…」射撃係幹部が号令をかける、そして全員がLAMを肩に担いだ「射撃用意!1的から撃て!」射撃係幹部が号令をかける
「後方よし!」射手が後を確認して安全装置を解除する。そして一瞬の間をおいて…
321 名前:まいにちWACわく!その99 投稿日:04/05/18 20:00
ドン!
すさまじい轟音と衝撃が射場に鳴り響いた
射手の前後で煙が巻き起こり、その煙の中から青い弾頭部が飛び出してきた
5mほど(比較的)ゆっくりと飛翔し、羽を広げ300m先の的にすっ飛んでいった。そして…
「命中しましたね」双眼鏡を覗いていた田浦3曹が言った。弾頭部はベニヤの的を貫通し、後方の停弾提に突き刺さった
続いて2的、3的と続けて撃つ。結果は3発中2発命中だった「まぁ、悪くはないな」と中隊長も言う
次は2射群だ、赤城士長は2的「ふ〜」と息を吐き緊張をほぐそうとする
「まぁ堅くなるな、一発100万円を一瞬で消費するんだ。楽しんでこいよ」と田浦3曹が声をかける「ハ、ハイ」と笑う赤城士長だが、少し顔も赤くなっている
弾薬交付所でLAM本体と発射装置を受領する。本体を大事に抱えて射座に向かう(リラックスして…)そう自分に言い聞かせて射座まで歩く
射座に着きLAMをおろす、そして射撃装置のチェックを始める。安全装置と撃発の作動をチェックし、眼鏡を覗き以上の有無を確認する
「異常なし!」と射手たちが射撃係幹部に報告する。そして射撃準備の号令がかかった
弾頭部のプローブを伸ばし射撃装置を取り付ける。前方握把と肩当てを伸ばし一気に肩に担ぎ姿勢を取る。前方握把をしっかりと土嚢に依託し、眼鏡を覗き狙いを定める
300mの表示のある十字に的を合わせ、右足を前に出し姿勢を固める「準備よし!」
ずっと心拍数は上がっている。肩が堅くなっているのがわかる。指先にも力が入り震えがくる
(力を抜いて…呼吸を整えて…)赤城士長は今まで習った事を思い出すように、そして冷静になろうと呼吸を整えた
(楽しんで…そう、楽しもう!)そう思ったら少し緊張が解けたような気がした
「1的、射撃用意…撃て!」号令がかかる、隣の1的が射撃する。さっきとは比べモノにならない爆風と轟音が赤城士長を襲う
思わず身が固くなる、アドレナリンが吹き出してくるのがわかる気がした。次は自分の番だ…
「2的、射撃用意」号令を聞き後ろを見る「後方よし!」姿勢を固める。眼鏡の十字を的に合わせる。人差し指に力が入る…
「撃て!」号令を聞き引き金を絞る。引き金に手応えを感じ、撃発が落ちた
322 名前:まいにちWACわく!その100 投稿日:04/05/18 20:01
ごう!と体が衝撃を感じた。轟音よりすさまじい衝撃を受ける
眼鏡の前に砂埃が舞う。着弾は…?うっすらと的が見える
安全装置を条件反射のようにかけつつ、弾着の行方を見る…
「お、当たったな」双眼鏡を覗いていた中隊長がつぶやく「あ〜おごり決定か…」そう言いつつもどこか嬉しそうな田浦3曹
赤城士長の放った弾は的の若干下に命中した。ベニヤの的にきれいな穴があいていた
「は〜…」軽くなった本体部分を返納し、大きなため息をつく赤城士長「お疲れ、どうや?当たったか?」聞いてきたのは井上3曹だ
「ハイ!何とか…ドキドキしました〜」そう言って胸に手を当てる、顔もまだ赤い「次はオレや、1発200万を撃ってくるわ〜」そう言って井上3曹は射座に向かった
赤城士長が対戦車りゅう弾の見物に…と台上に上がった。田浦3曹が「命中したな、おごるよ」と開口一番に言う
「いいんですか…?ホントに」少し心配そうに聞く赤城士長「男に二言はない!」キッパリ言い張る田浦3曹「それよりも射撃見なよ、迫力あるよ」そう言って的の方に視線をやる
射座では着々と射撃準備が進められている。井上3曹がLAMを肩に担いだ、今度のは弾頭部がOD色だ。何か迫力を感じる…
「射手、射撃用意…」号令がかかる「後方よし!」後方を確認して安全装置を解除する
「撃て!」の号令とほぼ同時に対戦車りゅう弾は発射された。300m先の鉄板で作られた的に吸い込まれるように飛んでいく
着弾した!と同時に赤い炎とすさまじい煙が巻き上がる
1秒後…すさまじい爆音が聞こえてきた
「お〜」見ていた隊員たちから歓声が上がる「スゴイ!音が後からくるんですね〜」赤城士長も興奮している。顔を真っ赤にして喜んでいる
「まぁ口ばっかりじゃない、ちゃんと当てたな」そうニヤリと笑う田浦3曹であった
323 名前:まいにちWACわく!その101 投稿日:04/05/18 20:23
「まま、中隊長どうぞどうぞ…」田浦3曹がビールを注ぐ。演習最終日の晩、廠舎の中では宴会が始まっていた
衣装ケースを机代わりに、演習場近くのコンビニ「ぶんぶん」で買ってきた酒とつまみが並んでいる
「や〜アリガトよ、無反動もLAMも終わったな〜命中率も高かったし、言う事なしだな!」かなり上機嫌な中隊長だ
「何より不発弾が出なかった!いいねぇ〜無反動だけに無反応、なんてことにならなくて〜!」とダジャレを飛ばす高木2曹
「LAMは無反動とは違いますよ」冷静に突っ込む田浦3曹
酒が進むと口も軽くなる。中隊長もかなりしゃべるようになってきた
「いや〜ホント、三島にはドキドキさせらっれっぱなしだな。アイツ受かるかね?」「先任たちが必死で鍛え上げてる最中ですよ」そうフォローする田浦3曹
「学科2番なのに不合格、なんてちょっと恥ずかしいぞ!でもなぁ…」ため息をつく中隊長。珍しく弱気だ
「人事は人ごと、ですからね〜」田浦3曹はそんなに深く考えてはいない
「…よし!GWも練習させるぞ!中隊本部持ち回りで教官してもらおうか!」「…!」顔には出さないが、心の中で(それは嫌です)と叫ぶ田浦3曹、だが中隊長は乗り気のようだ
「田浦、また計画作っておいてくれ!」もう止まらないだろう「…はいぃ…」がっかりと肩を落とす田浦3曹だった…
演習場の夜はこうして更けていった