ふぅ〜 臨時の臨時勤務 三島は18時を少し過ぎた時間に仕事を終え営内へと戻る
明日は休みであった と、すぐシャワーをあびる
シャワーを浴び私服に着替え、私有車を走らせる
今日は、青木と久しぶりのデート?だった。 待ち合わせの場所へ向かう。と、そこに1本の電話がなった。「もしもし・青木です。三島君、今日ね急な仕事で、会えなくなったの
さすがに師団で働いている人なんだろう 突然の仕事もあるだろう。
しかし、三島は少しへこんだ。休み前の夜、何しよう。と考えながら車を走らせた先は、いつか赤城を連れて行った事もある夜景の見る場所だった
さすがに穴場中の穴場だけあってひっそりとしている。
まぁ人なんていないだろう止まっ確信があるからこそ三島も来たのだが。しかし、よく見ると、時間が1だいある。その自転車の持ち主だろう、薄暗闇から独り自転車に向かって歩いて来ている
あれ? 三島し、三島さん? と、自転車の所有者は声を掛けて来た。その声にはききおぼえがある
「おぉ 赤城ちゃん どしたの?ひとりで〜」と言う三島は
少し考え「悩み解決したか〜?」と言った
赤城は「いえ、解決はしませんけど、ここで少しスッキリしたんで」と言う
あえて悩みを聞かない三島 「そっか。そりゃ少しはよかった
じゃ次は俺の番だからさ、少し、独りに浸ってくるよ」と三島は言い残し、夜景を見に行った
五分もたったろうか?三島は車に戻り、赤城を追いかけた。相手は自動車。すぐ追いつく
「へい!そこのねーさん おいらの車に乗ってかない?」
なんて言う三島に赤城も「え〜 私、家帰るだけですよ〜
変な事しないって約束するなら〜」なんて安っぽい劇のようなセリフをはく
結局、赤城と赤城の自動車は三島の車に乗った。さて、何をしよう〜
二人とも、明日が日曜日とあってトクガイ証をもらっている
悩む二人
ドウジコク 田浦の下宿 田浦「暇だぁ!」と独り叫ぶ
さしずめ 下宿の中心で暇と叫ぶと言う世界だろう。しかし、本家
セカチュウは何万と言う人に届いたが田浦の独りごとなど誰にも届かない話のはずだった
しかし、届かないはずの声が、三島、赤城の2名に届いたのか?「ここ田浦さんの下宿」と三島が赤城に説明していた
偶然前を車で通ったのだ赤城も知っていたので「はい、前にここまで送ったんですよ〜」と話ていた
三島が 今から電話してお邪魔出来るかきこう!と言った
田浦の返事は大丈夫との事だった そして、ご飯を食べてるのは三島だけ
と言う事で季節外れの鍋をすると言う事になった。しかも、闇鍋を
田浦を迎えに行き、三人別別に材料を買う 三島は果物類、田浦は正統派だろう
麺類コーナーをみている 赤城はお菓子コーナーの出入りが多い
田浦の部屋に行き暗くし、闇鍋をかいしする三人。そこから先は悲劇の連続であった
しかし、三人は充分タノシメタようで、今度は正統派の鍋を!と誓い、幕を閉じた。
番外編・休憩中
三島は通信庫でボーっとしていた。ピンチヒッターで上番した糧食班勤務も終わり、中隊に
復帰したのだった。午後は通信整備に区分されていた。「うおーい、三島ァ。ジュージャンやろうジュージャン」隣の隣の部
屋で作業をしていた3中隊の通信陸曹、浅井3曹が声をかけたきた。浅井3曹とは連隊の通信
連中の飲み会、通称「トオレ会」でロック談義で意気投合した間柄である。しかし三島は違和
感を覚えた…「浅井3曹、ジュージャンじゃなくてジャンジューじゃないっスか?」浅井は怪
訝な顔で言う。「いや、ジュージャンだろ〜!」 「違いますよ!ジャンジューですよ!」三
島も譲らない。「絶対ジャンジューですよ!あ、平野!ジャンジューだよな?」通信庫の外で
喫煙していた3中陸士の平野は突然の質問に面食らったようだ。三島が話しの成り行きを説明
すると、「ジャンジューですね」と答えた。「ほら〜やっぱジャンジューですよ〜」得意気に
言う三島。「い〜やジュージャンだ!」浅井も粘る。「ちょっと通信小隊に聞いてみよう」本
管通信小隊の通信庫は各中隊よりモノが多いので、隣あっているもののドアを隔てた少し広い
部屋にある。「ちょっと聞いてくるわ!」そう言って浅井3曹は本管倉庫に消えた。「あの人
負けず嫌いだからなァ…」平野が呟く。「ぜってージャンジューだよ。世代の違いかな?」な
どと三島と平野が話していると、浅井が帰ってきた。何やら浮かない顔だ。「ほら、やっぱり
ジャンジューだったんだ〜!」三島が喜ぶと、浅井が言った。「ツマンネー事聞きに来るなっ
ておこられちゃった…」「……」
かくして「呼称論争」はうやむやの内に終わりを告げたのであった…
ちなみに「ジャンジュー」あるいは「ジュージャン」は浅井が負けた。
番外編、不定期に続く
カタカタカタ…とキーボードを打つ音が聞こえる。中隊本部は今日も忙しい。1/四期末でもあり、もうすぐ中隊訓練もあるからだ
田浦3曹も机に積まれた書類を片づけていく「3日後には一夜二日の訓練があるってのに…仕事終わらないな〜」と珍しく悲鳴を上げる
極楽山で行われる「中隊錬成訓練」は部隊の進入→重要防護施設の防護行動→敵遊撃部隊の掃討の流れである。掃討は1〜3小隊、施設防護は対戦、迫はFOを各小隊に同行させて支援射撃を実施する
「しかしFEBAもObjも無いんだから変わった演習だよな〜」と先任は計画書を読みながら言う「これからは『対遊撃』の訓練がどんどん増えていくんでしょうね」と同意したように田浦3曹が言う
「ただいま〜」中隊の廊下に声が響く、検閲支援に出ていた人員が帰ってきたのだ「お〜お疲れさんです!どうだった…」先任が事務所を出て声をかけに行く
「帰ってきてすぐに演習か…仕事とはいえ大変だな〜」と呟く田浦3曹であった
2日後…事務所では錬成訓練の細部MMが行われている「…というわけで食事は全部戦闘糧食です。残飯等は埋めることなく後送して下さい」と岬2尉「地図はこのMMのあとに配布します。正規の地図ではないので事後の処理は各小隊ごと好きに使って下さい」と田浦3曹
中隊長が腰を上げる「次は検閲が待ってるからな、今回の訓練で仕上げないといかんぞ」
次の日…中隊の車両が駐屯地を出てぞくぞくと極楽山訓練場に向かっている「久々の状況さ〜楽しみだねぇ」と高機動車の中で言ってるのは具志堅士長だ
幌を外して偽装網をつけた高機動車に涼しい風が入り込んでいく。梅雨の中晴れかいい天気だ「赤城、高機動車の後部は酔いやすいから気をつけろよ」声をかけるのは検閲支援から帰ってきたばかりの鈴木士長だ
「?そうなんですか?」「ああ、高機動車は4WSだろ。だから後部が変に振れるんだよ」言われたとおりに体を少し前に向ける赤城士長
通学途中の小学生がこっちにむけて手を振ってくる。近所の子供は自衛隊車両を見慣れているが、やはり珍しいのには変わりがないようだ
訓練場に到着、中隊の隊員たちが下車して集合する「状況開始は0900、それまで各小隊ごと準備!」岬2尉の指示が飛ぶ。隊員たちは顔にドーランを塗り偽装を始める
「塗り方も今回はパターンが決まってるからね、右上から左下に緑、黒、黄色だよ」と神野1曹が声をかける。敵味方の識別のためにドーランの塗り方を統制しているのだ
そうこうしてるうちに状況開始の時間となった「状況開始〜!」岬2尉が大きな声で叫び、各小隊長が中隊長の下に集まる
小隊長が命令下達を受けている間、隊員たちは集結地で全集警戒を実施する
小隊長たちが戻ってきて中隊本部と施設防護にあたる対戦車小隊がまず前進する。その他の小隊は施設が襲撃されてから追撃するため、今はまだ集結地に残っている
「さて…まずは1班が警戒、残りは休ませていいいぞ」神野1曹が各班長に伝える。状況中とは思えないくらいのんびりとしてる3小隊の面々
「こんなにのんびりしてていいんですか?」当惑したような顔で質問する赤城士長「かまわんよ、休める時には休まないとな」とは片桐2曹だ
「ま〜状況って言ってもそんなもんやで。後々死ぬほど忙しくなるんやからな〜」と井上3曹に言われ、首をひねりながらも腰を下ろす赤城士長であった
何かの物音でふっと目が覚める、いつの間にか眠っていたようだ(あ〜もっとシャキッとしないと…)頭を振り周りを見渡す
木陰に高機動車を隠して林縁沿いに警戒要員が数人銃を構えている。それ以外の人は同じように寝ているようだ。ただ油断無く銃を持っているのはさすがと言うべきか…
ジープの助手席に座っていた小隊長が無線機のマイクを取り上げる「……了解!」力強い返事を返し「3小隊、前進用意!」と隊員たちに指示を飛ばす
数人の警戒員を残し各小隊が動き始める。中隊本部まで車両で前進して車両を残置、徒歩で攻撃開始線まで前進する想定だ
中隊本部地域に続々と入ってくる各小隊の車両を誘導するのは車両陸曹の水上1曹だ。各小隊の隊員たちが下車して歩き始めるのを見つつ田浦3曹は首をかしげる「変な想定だよな…」
(何で最初からこの地域を集結地にしなかったのか、1コ中隊全力で施設防護にあたれば襲撃の時点で敵を殲滅できるのに…)
『対遊撃』は自衛隊でも最近になって始めた訓練なので、実施する方もどこか不自然な想定になりがちである。それでも命令通りにやるしかないのが中隊の辛いところである
林縁沿いの道路に3コ小隊が並列、左から1,2,3小隊の配置で前進する。2小隊長が手を大きく挙げて前に振り、全隊員が前進を開始した