まいにちWACわく!その39

その日の夜…WAC隊舎屋上「もしも〜し、翔兄ちゃん?」赤城士長が電話をする相手は3人いる兄の真ん中・赤城翔次郎3等空尉である
(お〜久しぶりだな!正月以来か?)「GWに誰も帰ってこないんだもん、ビックリしたよ〜」(そりゃ仕方ねぇよ、仕事だもん)3人いる兄は誰もG実家に帰ってこなかったらしい
「ま、母さんは海に潜りに沖縄、爺ちゃん達は台湾観光、結局私と健だけだったけどね」(相変わらず元気な年より連中で…)

涼しい風が隊舎の屋上を吹き抜ける「それより兄ちゃん、部下に慕われてる〜?」(…いきなり喧嘩売ってんのか?)当惑した声で答える翔次郎
「いやいや、実はね…」演習中にあった出来事を話す「…部下に嫌われたらアレみたいになっちゃうよ。え〜と…そうそう『裸の王様』!」(オレはパイロットの中では下っ端だからな〜ま、確かに嫌いな上官はいるよ)
「やっぱり?」(どこにでもいるだろう?自分がそうならないように気をつけてるから大丈夫!こないだも整備の連中と合コンに…)
「へ〜」(それより何で俺にかけてくるんだ?純兄ちゃんや三吉は?)「純兄ちゃんは海の底、三吉兄ちゃんは久留米で入校中、連絡なんて取れないよ」
(そっか、まぁ曹士の階級も大変だろうな)「幹部は楽なの?」(そんな事は無いよ!ま〜でも不真面目にやればどの階級でも楽はできるんじゃね?オレはそのつもりはないけどな)
「ま、頑張ってね。1機100億だもんね〜F15って。落としちゃ大変!」(俺たちも一人あたま2億くらいかかって作られたパイロットだからな。要領なんてカマしてたら税金泥棒だぜ)
「やっぱり空はお金あるのね〜ウチなんてコピー代も自腹なのに…」ちょっと待遇の違いに納得のいかない赤城士長であった


電話は続く(龍子、幹部になる気は無いのか?)「幹部?う〜ん、まだ何とも…」(陸だと曹士なんて扱い低いだろう?専門職なんてそうそういないんだし…)
「それでもみんな優秀だよ。中には駄目な人もいるけどさ」(いやいや、そう言う事じゃなくて…捨て駒扱いされるのがオチじゃねえ?)
「捨て駒なんて思ってないけど?」(上がそう考えてると思うか?冷たいようだけど曹士はやっぱり組織の手足でしかないんだよ。取り替えの効くな)
「手足ってね〜みんな頭の付いてる人なんだよ!」憤慨する赤城士長(わかってるよ、でも司令部や幕僚の人たちがそう考えてると思うか?)「それは…」
部隊配属になって半年、今までもそういう扱いが無いとは言えなかった(やっぱりさ、組織の頭になるべきだよ。「現場がいい!」って曹学受けたのは知ってるけどな)
「…」(いろんな制度や納得いかない事だって変えるチャンスも出てくるぞ、「正しい事をしたかったら…」)「『偉くなれ』わかってるけど、現場で支える人も必要じゃない?」
(支えるのはお前じゃなくてもいいだろう?それこそ現場で力を発揮できる優秀な人たちに任せたらいい。そこまでの自信あるか?体力面では勝てないだろう)さすが幹部だけあって口がうまい
(現場を知ってさらに偉くなれば無敵だと思うけどな。どうだ?)「そんなの…まだわかんないよ」迷いはある赤城士長
(今ならまだ間に合うだろう?親父か叔父さんに頼めば防大くらいはいけるさ。ま、考えておいた方がいいぞ)そう言って電話を切る翔次郎だった



三島もう一つの趣味

外禁もとけ、2次野営も終わり・・・ 久しぶりの週末フル外
金曜日夜 さ〜て、今日は何しよっかな。「そうだ!こんな時こそ!」と車で一人出かけた
そこについたのは、深夜2時 通常であれば、誰もこない場所である。しかし、今日は違っていた


三島が車で来たその場所とは・・・ 営業時間
昼11時〜13時 夕方16時〜19時 金曜
土曜は深夜1時〜3時 ラーメン おやっさん と小さな看板がある盛り場のラーメン屋である


実は、三島は隠れラーメン好き 雑誌 口コミ
ネット その他の情報源をもとに、私有車を何時間でも走らせ、一人ラーメンを食べに行くことに時々生き甲斐すら感じていたのだ


おやっさんのラーメンは札幌ラーメン 寒い札幌
屋台で食べても常に熱い状態で食べれる事を考え太麺、豚骨ベースのスープに炒め野菜を乗せた味噌味
最近、少しずつ話題になっていたのだ


「らっしゃい!」威勢のいい声 周りの客を見渡すとさすがに皆、顔が赤い
「飲んだあとはここのラーメンだよね〜」サラリーマンが多い店の中にOLと思われる集団もいる「味噌ラーメンとチャーシュウ丼」といい席につく三島だった


ラーメンが来た うん。悪くない 贅沢を言ったら来るのは冬だな。などと思いながらもくもくと食べる。食べ終わり、車にもどり、三島ラーメンチェックリストを付ける
う〜ん 総合で92点かぁ なかなか100点がでないなぁ


ふぁ〜 腹いっぱいになったら眠くなってきたな
と言う事で三島は車の中で睡眠をとった


田浦3曹下宿編 野営も終わり、一人下宿にて飲んでいる。やっぱり寂しい
となると、近くのレンタルビデオ屋よりビデオを一人寂しく借りて来る生活が多いのだ・・・今日は少し違っていた


田浦の今日の武器 給料が手つかずで5月末まで残っている財布事情
赤城が同じ中隊でなければおそらく・・・な夜を過ごしていた?情事
それらがくみあわさり一人町に消えた


ラウンジ。ヨシコ ここは、普段、値もはり、中隊や連隊からは嫌われる飲み屋である。ただし女の子の数は多い
そこに田浦は一人飲みに行ってみた。あわよくば・・・最後
女の子を誘う事を夢見て・・・


しかし・・・何もなく終わったのだった・・・
時は土曜日 午前2時半 一人寂しく下宿に帰る田浦だった・・・
そして月曜日 先任と補給の林の2名の話だった
「田浦〜なんか顔がすっきりしてないぞ〜!」田浦編


月曜日 (うまいラ〜メン屋が無いなら自分で作るかなぁ)と考えながら朝礼場に向かう三島
(まずは、豚骨で・・・)など深く考えていた。それより少し前の事務室・・・


なんか曇った顔だなぁ〜などと先任に言われる田浦「・・・」
「まぁ、それはそれとして、2週間後に本管の何個小隊かが検閲だろ、それでなこんなのが来てるんだよ」と先任が差し出した書類
「検閲間における各臨時勤務交代要員差しだしについて」


田浦は目を通した。「うちからは、糧食に陸士二名ですか。」「そうなんだ、いつもならここで三島って言う名がでるんだが・・・今回はそうはいかないだろ。」
「まぁ、そうですね〜本人はなんて言うか判らないですけど〜」


「朝礼〜」当直が声をかける。田浦があわてて朝礼場に駆けると一人悩んでいるような三島とならんだ。「おぅ!おはよ!」と声をかける田浦に三島は「はい・・・」と何か元気がない。《何か変だ?悩んでるのか?》


朝礼が終わり、三島をよく見る田浦。《やっぱり悩んでいるようだな》「おい!三島!今日はどした?」それに対し三島は「いえ、なんでもないんです、ただ、豚骨か鳥か魚どれがいいか悩んでしまいまして・・・」三島の答えに、田浦はわけがわからず、呆然としたのだった


「多分ラーメンの話じゃないか?」そう、田浦に進言するのは倉田曹長である
《なるほどな、そう言われると・・・》 「なんだ、糧食に行きたくてラーメンの話なのかな?」なんて先任が横から口を挟む。



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