まいにちWACわく!その22

夜の中隊本部編 田浦3曹は下宿として、使用するコーポアミバ(月四万円)205室でテレビをみながら一人、ビールを飲んでいた
(思えば、俺が訓練B、上番してから、大変な事が多いなぁ)などと考えながら
TVではエンターの殿様と言う若手芸人が腕を競う番組をやっている


最近、流行の元プロレスラー ダッチャ石末の伝説パァト21(歌はかま)のカスタネット漫談も終わりになった時、中隊の先任補給 通信の各陸曹より電話が来た
内容は 今から一緒に飲むぞと言う内容だった


田浦は飲む誘いを断った そして・・・ 夜が明けた
夜の中隊本部編 完 引き続き本編をお楽しみ下さい



そんなこんなで3月下旬、山崎士長と赤城1士の部隊通信は無事終了「特技認定通知、初級部隊通信553…」人事の倉田曹長が二人の人事記録簿に書き込む
「無事終わりましたね」と田浦3曹「これからが大変だろうなぁ…」と先任「ま、とりあえずは来月からだな」

3月下旬の定期異動。運幹の森永1尉ほか10名が転出、幹部1名を含む7名が転入してきた。任期満了退職は4名「−14の+7だから…トータルで−7だな、戦力減だな…」と頭を抱えるのは先任だ
「運幹は岬2尉が付くんですね、新しく来た石田2尉が2小隊長か…」と田浦3曹「何にせよ東野がいなくなったのはきついな」とぼやくのは訓練Aの中島1曹だ
補給の東野1曹は「楽隠居」の夢が叶い業務隊へ転属となった「でもあの人の事だから、楽隠居はできないでしょうね」と田浦3曹

そして3月末のある日の終礼…「4月1日昇任者の紹介を行います」先任が言い赤城1士を含む数名が前に出てきた。中隊長が一人一人に階級章を手渡す
「曹学や補士は一般隊員より早く昇任する、それだけに責任も重大だ。これからも精進するように!」と中隊長が締めくくる

そして終礼後…「よっ赤城士長!」田浦3曹が声をかける「明日付けですけどね〜」ちょっと嬉しそうに答える赤城1士。二人は自販機の前に移動してきた
「襟にマークがあるから曹学ってのはわかるけど、それでも士長になったんだから責任も増えてくるよ」「そうですね〜でも満期金は無いんですよね」そう言って苦笑いする
「その代わり昇任が約束されてるから…まぁ一般で入って陸曹になるのが一番おいしいかもしれないけどね。オレがそうだったのさ〜」「いいなぁ…」
「そういやお金は大丈夫?借金とかしてないよね」ちょっと心配になり尋ねる田浦3曹。最近は借金に関する話が厳しくなり、指導も厳重に…との指示も来ている
「大丈夫です、もう貯金も50万くらい貯まりました〜」「そっか、なら安心だな。また通帳とか見せて貰うね」そう言って田浦3曹は缶を捨てて立ち去っていった


そして4月1日、新しい年度が始まった。まずは連隊朝礼、そして中隊長の年計、期計の教育だ。連隊朝礼では連隊長が「今年も頑張ろう」と決まり文句を言って終わった
そして中隊の教場で、年計・期計教育が始まった
「まずは年度の大まかな計画を達する」そういってプロジェクターに計画表を映し出す
「今年は秋に他の連隊のCT、そして年明けに方面のYSがある。よって中隊検閲は7月に実施する。知っての通りCTは無い」誰かが小さい声で「やった」とつぶやく
「あとは…中隊検閲は『対遊撃』だ。山中に潜むゲリラの発見・殲滅が任務となる。各人しっかりと錬成するように!」そう言ってパソコンを操作する
「次は細部計画、運幹頼むよ」そう言って岬2尉にバトンタッチする
「この4月から運幹に上番しました岬2尉だ。何かと迷惑をかける事になるかと思うがよろしく」そういって軽く頭を下げる
そして指示棒を持ち説明を始めた
「まずは4月、桜祭りと#1野営だ。#1野営は射撃メインで、LAM・84RR・軽迫の射撃を実施する。それから5月、#2野営は同じく射撃メインだ。行軍から掃討に移る行動を錬成する。6月は連隊の持続走大会、そして演習場整備。合間を縫って中隊錬成野営も実施する」
そしてパソコンを操作する
「7月は中隊検閲の#3野営、8月上旬に軽迫・ATM射撃の#4野営。これは長いぞ、10日くらい富士にこもるからな。9月は他中隊の検閲の#5野営、そして連隊の銃剣道大会…」
そうして来年3月までの予定を説明していく「…以上で終わる、何か質問は?」無いようだ(何人かは寝ているようだ)「よし、ではこれからは各小隊の指導時間とする。15時から駆け足、わかれ!」



「ところで、毎朝駆け足する話やっぱり消えたな」こう話するのは新補給陸曹の林2曹である
林は3小隊の分隊長から補給についた。支援に来ていた三島は「助かりますよ!林2曹、あまりその話して、また再燃させないでくださいね」


「若い奴がそんなんでどうするんだ!」と後ろから激が飛ぶ。三島は恐る恐る後ろをみると人事の倉田曹長だった。「いゃ〜すみません」と三島は照れ笑いをしていると「三島、お前、そんなんで、2次は通らないぞ!」


へっ?とした顔で「2次?候補生のですか?」と三島が聞く。「そうだ、噂だがな、お前今回、凄く点数よかったようだぞ、詳しくは11時に中隊長から話あるから」林が「やったな!」と三島を軽くこつく
三島は呆然としている


「なんか不満そうな顔してるな?」と林が三島に問うと「いえ、あの、自分、今年度限りの自衛隊生活って思ってたんで、教範一度も開いてなかったんで、驚きすぎました、確かに今回、覚えてた所多くて楽なテストと思ってたんですが。」


時間になったので中隊長室に行き話を聞いた
そこで連隊での順番の発表があったが。三島は二番目だった。周りは驚いているが「俺は一番信じられない」などと、言動が定まらないほど驚いている


「教練や体力検定錬成は各営内班長にさせて、面接は俺や先任、倉田曹長が面倒見るからな、2次までの2週間全員合格させるつもりでがんがんいくぞ」と気合いの中隊長で早速午後からとりあえずで面接を錬成した


その日課業終わって 中隊長と先任と倉田と事務所で話をしていた
「今日の面接はどんな感じだった?」と中隊長が聞くと先任と倉田は顔を向き合わせ「三島を鍛え直さなきゃならんすよ・・・」とため息をつく
中隊長が詳しく聞くと内容はこうだった


「三島以外は、特に問題ないでしょう、なぜ三島が問題。今日した質問に今まで一番記憶にある仕事は?としたんです。そしたらあいつ各支援で過去なら音楽祭り、最近は師団記念日と。また、」今回受かったのは本当に運だけのようで、教範関係の奴は全滅で


中隊長は納得する。しかし「面接が多少駄目でも体力検・」と口を濁す「他は文句ない体力自慢が受かってますが、三島だけが見劣りします」と先任
「ひっくり返させない為には?」と聞かれ「外禁、錬成でどこまで・・」と、先任は答える
次の日三島は外禁を告げられた



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