アイタッタッ 頭がズキズキする 「二日酔いだな」と、一人ぶつぶつ言いながら、先任は机に座った。田浦3曹が、「先任?体調でも悪いですか?」と聞いてくる?「二日酔いだよ。」本部の要因が一同に先任を見つめる 「おはようございます」元気な声で赤城一士が現れた
ぼちぼちと中隊の朝礼時間になるにつれ、隊員が来る
最重要(危険?)人物の三島も来ている。先任は、痛い頭をおさえ、三島の行動を黙って見ていた。以外にも、赤城一士に挨拶されても、不愛想な態度だった。考えすぎ?と先任は少し安堵感に浸った
三島は少し安心と。思った矢先。しかし、3小隊の面々が赤城を取り囲んでいる。それを見て、頭を抱える先任に中隊長が「とりあえず少しの間様子を見よう、家族があのような人達だ。肝の座った奴じゃないとくどけないさ。」
先任の体から酒が消えた(気分)にさせた一言だった
番外編 ぱぱ編 昨夜、娘から電話が来た。「私、大丈夫よ」と赤城
「そうか?早く慣れて自分の道をきめるんだぞ」とぱぱ
本当は異性関係について聞きたい。が、ぐっとこらえる。どこかで、幹部一家の娘に手だす(遊びで)隊員なんていないだろ
と鷹をくくっていた。
スキップ・ビート 番外編・生活隊舎
「押〜忍、あ、またゲームやってますね!」
ここは生活隊舎、飯島士長の住む居室である。
「お、これはこれは三島クン。」 飯島士長はゲーム画面を見ながら答えた。中隊にWACが来て2日目の夜、思った程の混乱もなく、いつも通りのまったりムードである。
「なんかおもしろい事でもあったか?」
「飯島の旦那、赤城チャン情報で面白いのがありまっせ」
三島士長は妙に芝居がかって言った。
「なに調子よく赤城チャンなんて言っちゃってんだよお前は!で、情報って?」
「赤城ちゃん、とりあず通信で使うみたいなんですけど、本人は実は迫でやりたいらしいですよ」
飯島士長はゲームを中断した。ゲームは「戦国無双」である。
「何ャ〜!ウチの小隊に来たいってか!?しかしそれはそれで面倒くせーな・・・」
どうやら喜び半分、心配半分の様だ。やはり重迫のWACを知ってる人間は、WACだからといって素直に喜べない。
「まァ通信とかで一緒になると思うンで、探りを入れてみますよ」
「そうだな」 飯島士長はゲームを再開した。しかし三島士長は内心では赤城チャンの事を恐れていた。そうなのだ、精強過ぎるのだ。三島士長は後方戦技は何でもこなすが、射撃を除く戦技はからっきしダメだった。飯島士長は画面を見ながら言う。
「しかしよ、ヤマ行って隣にWACが居たら燃えるよな?」
三島士長はニヤリとしながら、
「夜の半装填ですか?」 二人はまた淫靡な笑いを共有した。こうして営内の夜は更けていくのであった。
生活隊舎編・不定期につづく・・・
「申告します!1等陸士・後藤喜一以下4名のものは…」連隊会議室で昨日着隊した4名の曹学の申告が始まった。といってもものの10分程度で終わるものだが…
参加してるのは連隊長以下幕僚の面々、各中隊の中隊長に先任たちである。
二日酔いでまだくらくらする頭で整列・不動の姿勢はかなりつらい。同じ会議室には昨日一緒に飲んでいた泉曹長と飯島曹長の顔も見える。
泉曹長はまったく平気なようだ。相変わらずの冷静な顔ですまして立っている。
飯島曹長はつらそうだ。かなり飲んでいた結果、先任と同じように頭痛に悩まされているようだ。
連隊長の訓辞が始まる、官僚的なところのある連隊長は話も長い。
「…諸君が一日でも早く連隊の一員になれるよう我々も最大限の努力をする所存である…」(ウソつけ!)中隊長の心の叫びは誰にも聞かれなかったようだ
「さて、申告も終わったし…」先任の机の前には、作業服に着替えた赤城1士がいる。「今日は物品の交付があるからね」
「ハイ!…まずは何したらいいですか?」「とりあえず、戦闘装着セットかな?東野1曹!」補給(戦闘装着セット担当)の東野1曹を呼ぶ。
「準備は出来てますよ」東野1曹は迫出身の49才、そろそろ業務隊で楽隠居を…が口癖である。
「サイズは5Aだね」「いいと思います」補給倉庫で服を渡す。「ためしにこの戦闘外被を着てみてくれ、できれば丁度であって欲しいんだが…」
「少し大きいかな?」「ならいいや、下に着込むからね。業務隊にも在庫がそれしか無くてね…」渋い顔をする東野1曹。
「あとは鉄帽、弾帯、弾のう、背嚢…」次々と物品を渡していく。「無くさないように管理は厳重にね、武器と同じ扱いだからね。あと注記をしっかりするように、今日中に階級証とかも縫い付けるんだよ」
次は武器だ「小銃は89式、曹学だから扱い方は知ってるよな?」火器陸曹の高木2曹が言う。軽火器出身の37才、最近太ってきた腹を気にしている。
「わかります」「じゃあチェックをしてくれ、異常は無いかどうかね」慣れた手つきでスライドを下げ、薬室が見える状態で銃を渡す。
「特に異常ありません」「そうか、ところで赤城1士は器用か?」「?」
「武器だけにブキようだと使えないからね〜」「………あははぁ…」愛想笑いをするしかない。
「小銃受け取った?」先任が聞く。「ハイ…」疲れたように言う赤城1士、「どうしたの?」事務所にいた田浦3曹が聞く。
「いや、ちょっと…」「どうせまた高木の親父ギャグ聞かされたんだろう?」さすがに先任、読みがいい。
「またか〜」「いいかげん止めりゃいいのに…」「愛想笑いするから癖になるんですよ」同意したように中隊本部の面々がうなずく。
「じゃ、今日は被服の縫い付けとかやってきなさい。夕方から駆け足だから体育服装で集合ね」「ハイ!」
少し静かになる中隊本部「明日の1800から中隊本部で赤城1士の歓迎宴会をやろうと思うんだが、みんな参加できるか?場所は『一番星』だ」先任が声をかける。
「私はOKです」人事の倉田曹長が言う
「私らは全員いけますよ」補給の3羽ガラス、鈴木曹長と東野1曹と村上2曹が言う
「田浦、いけるか?」「自分は行かないといけませんね」「じゃあ訓練もOKですな先任」中島1曹が言う
「ちょっと書類が遅れてて…今日明日は残業しますんで」渋い顔の給養、川井2曹が言う
「そのかわり、田中を出します」「僕は懐具合が…」給養付の田中士長は渋い顔だ。営外陸士は安い給料で大変である
「行きましょう!酒飲みはサケられませんからね〜」親父ギャグを飛ばす火器、高木2曹。誰も相手にしない
「先任のおごり?違うのか…まぁいい、行きましょう」車両の水上1曹が答える
「ところで中隊長は?」田浦が聞く「曹士だけで楽しんで来い、だってよ」「赤城本人は知ってるんですか?」「これから言うさ、問題無いだろう。本管の中村3曹も呼ぶか?」
少し考える田浦3曹「そうですね、いざって時は連れて帰ってもらわないと…」