まいにちWACわく!その25(音楽祭り支援その1)

589 名前:まいにちWACわく!その168 投稿日:04/09/04 14:16

ここは総監部にほど近い100万人都市の総合体育館、ここで方面音楽祭りは行われる。ステージの上では数名の隊員が何故かデッキブラシを持って立っている
某アイドルグループのPVのようにデッキブラシを使ったダンスを披露するのだ
タップダンスのようにブラシを床にたたきつけ、保安中隊のドリルのように高々とブラシを振り回す。けっこう様になってるのが不思議だ
「へ〜うまいもんやなぁ」「お、かっこいい!」「何でブラシなのかね?」ステージから離れたところであれこれ口を出す支援要員の面々
中隊から小野3曹と三島士長が警備支援で他連隊の幹部の指揮下に、そして木島曹長以下10数名が地連の支援で受付業務を担当する
当初の予定よりかなり多く取られたのは、遠方の部隊の交通費が出ないからだそうだ…何かと貧乏な陸上自衛隊である

会場の設営は施設団が担当、受付の設置を昨日の内に終わらせて本日金曜日は演技組の予行が実施されている
時間のあいた赤城士長たちは予行を見せてもらっている。明日は総合予行、日曜日に本番である

音楽隊の演奏は見事だ。歩きながらや一糸乱れぬ行進など、普通の楽団ではなかなかできない事もやる「よくこんな長時間演奏できるな〜」と誰かが感心する
「らっぱ特技を持ってたらわかるんやけど、吹奏楽器はすごい肺活量がいるんやで〜」と井上3曹「それを歩きながら吹くってのもスゴイ技術なんやで」 「そうなんですか〜」と感心してみせる赤城士長。そうこうしてるうちにプログラムが終了した
「なかなか面白かったな〜」感想を言いながら席を立つ面々、その時「お前ら遊んでんじゃねぇよ、あー?」という声が聞こえてきた


590 名前:まいにちWACわく!その169 投稿日:04/09/04 14:16

全員が露骨にイヤな顔をする、木島曹長が甲高い声でヒステリックにまくし立てる「遠戸ぉ、ちゃんと受付の準備とかしてんのか?あー?」
遠戸2曹が慌てて「し、し、してます」としどろもどろに答える「遊びにきたんじゃねぇんだぞ、あー?」話も聞かずに文句を言う
「宍戸3佐に許可をいただきました」大沼3曹が答える。宍戸3佐は総監部所属、受付業務の全般統制をしている
受付場所の準備・清掃も終わり、休憩してた隊員たちに「予行見てきなよ」と送り出したのが宍戸3佐だった
その時、木島曹長は準備もそこそこに師団司令部時代の上官とお喋り(ゴマすり)をしていたのだった。さすがに上官の指示だと文句も言えない、グッと言葉に詰まる
「じゃ、みんな受付に帰るか」木島曹長を無視するように大沼3曹が声をかける。全員がついていくのを横目で見ながら「何で連絡しねぇんだよ、あー?」と遠戸2曹に絡む木島曹長

「お前が指導するんだろうが、何やってんだよ〜あー?」帰る道すがら、ずっと絡み続ける木島曹長「あ、い、いやぁ、あの…」としどろもどろの遠戸2曹
伝令時代の恨みからか大沼3曹の木島曹長に対する態度はかなり悪い。露骨に睨みつけ返事もそっけない、必要最小限しか喋らないと言う態度を徹底している
それを知ってか木島曹長は矛先を遠戸2曹に向けている。こっちに来てからずっと泣きそうな顔をしている遠戸2曹であった


591 名前:まいにちWACわく!その170 投稿日:04/09/04 14:17

赤城士長たち音楽祭り支援組は総監部近傍の駐屯地に宿泊している。支援する人員が多いため総監部だけでは宿泊場所が足りないのだ
他部隊も入ってきているため駐屯地の売店は大変な混雑だ。赤、緑、青、黒、オレンジ色etcetc…部隊それぞれのカラフルな識別帽が右に左に動き回る
「まったく、ジメジメうっとうしいよな〜」「消えてくれね〜かな?」「実戦になったら後ろから撃ってやりたい…」売店にやってきた面々が好き放題言っている
当の木島曹長はクラブで知り合いと飲んでいるらしい。かわいそうに遠戸2曹が巻き込まれ連れて行かれた「オレも危なかったわ〜何とか逃げ切ったけどな」と笑うのは井上3曹だ

「あんな人が陸曹なんて…」と憤慨するのは赤城士長だ「最低ですね!」とはっきり言い放つ「だから言ったやろ〜?『最悪3兄弟』って…」と井上3曹
「昔からだ。アイツと話す時は強気でいくんだぞ、そうすれば声をかけてこないから」と大沼3曹「自分より強いヤツには絶対に声をかけてこないから」
「今日もひどかったですもんね〜あのゴマすり…」予行を見終わって受付に帰ってきた後、宍戸3佐に「しっかり予行をやらせますから〜」と言って何時間も受付の予行をやらせたのだ
「気付いてるのかね?宍戸3佐…アイツがどういう人間か」大沼3曹がため息をつく「ま、期待しましょう」気楽に井上3曹が言い放った

「龍子〜元気してたぁ?」後ろからかけられた声に3人が振り向く。そこには曹学のバッチを付けたWACが3人立っていた「わ〜久しぶり!」そう言って3人に飛びつく赤城士長
「久しぶり〜元気だった?」「普通科どう?しんどいでしょ〜」「基通はずっと椅子に座りっぱなしで…」と四方山話に花が咲く
やれやれと肩をすくめる二人「先行ってるぞ〜」と大沼3曹が言う「あ、は〜い!」と返事もそこそこに話を続ける赤城士長だった


592 名前:まいにちWACわく!その171 投稿日:04/09/04 14:17

「昨日は楽しかったか?」「ええ、久しぶりだったんですよ〜」『迷子案内』と書かれた机の前に座るのは井上3曹と赤城士長だ
「こういうイベントやと他部隊の同期とかに会えるからな。いいもんやろ?支援業務も…」雑用ユニットだった(今も)井上3曹がしみじみ言う
「今日は昼から自由時間ですよね?一緒に遊びに行くんですよ〜」と嬉しそうな赤城士長。予行が順調に終われば昼からは外出ができるのだ。そのために外出証も各人が持っている
「そうか〜でもヘンな事はするんやないで。ジメジメに攻撃の口実を与えんようにな…」声を潜めて言う井上3曹であった

『ただいまから総合予行を開始します。各係の者はそれぞれの位置について下さい』スピーカーから声が流れ全隊員が持ち場に着く
「じゃ、よろしく頼むわね」二人の方にポンと手を置くのは迷子案内の長である中川2尉である。衛生隊所属の若いWAC幹部だ
「ま〜泥船に乗ったつもりで、任せて下さい!」と井上3曹「泥船って…」と少し引く赤城士長。さすがに中川2尉は動じない「沈んでも助けないわよ〜」と言って後方に下がる

客の役をするのは総監部や地連の幹部たち、それに予行を見に来た後援会などの関係者だ「赤色の招待状をお持ちの方は…」「こちらからご入場ください!」受付は大変そうだ
受付の横にあるのが迷子案内だ。しかし今日の時点では子供はほとんどおらず、ただ真面目な顔をして座っているだけだ
「大変そうやなぁ…」横目で受付の惨状を見ながらボソリと呟く井上3曹「見て下さいよ、木島曹長って何もしてませんよ」と赤城士長
確かに木島曹長は受付の後ろで腕を組んで座っているだけだ。特に何かを指示している…わけでもない「あれは全般統制のつもりなんやで、多分…」
「宍戸3佐がいるのに?」「自分を偉く見せたいんやろ、よその部隊の人間やから宍戸3佐もきつくは言えんしな〜せこいヤツや」吐き捨てるように呟く井上3曹であった


593 名前:まいにちWACわく!その172 投稿日:04/09/04 14:19

演奏が始まり一段落ついた受付業務「今のうちにトイレとか行ってきてくれ」と宍戸3佐が声をかける
何人かが交代で席を立つ、木島曹長も立ち上がり迷子案内の方にやってきた「寝てねぇだろうな、あー?」と絡んでくる
「も〜バッチリですわ」と愛想良く笑う井上3曹「受付の方はどないです?かなりバタバタしとったみたいですけど?」
「…自分の心配しとけよ」少しイヤそうに顔を歪める木島曹長、シャバでの経験が長い井上3曹は調子よく人を煙に巻く
矛先を赤城士長に向ける「『楽な仕事でラッキー』とか思ってねぇだろうな、あー?」
少しムッとする赤城士長「そんな事思ってません」顔も見ずに答える「ちゃっちゃと働けよ新兵が、あー?」相手が弱いと言いたい放題である
カチンと来た赤城士長が顔を向けようとしたその時「おっ、龍子くんじゃないか!」と誰かが声をかけてきた

真っ白な制服に4段はありそうな防衛記念証、胸には羽のマークの徽章が付いている。肩の階級章は金の太線が4本の陸自とは違う階級章、海上自衛隊のお偉いさんのようだ
「秋山のオジサン!お久しぶりです」席を立ちペコリと頭を下げる赤城士長「陸に入ったんだって?残念だよ〜海自に来たらよかったのに」そう言いつつ机に近づいてくる
「お兄さんたちも元気?」「ハイ!相変わらず…」「そうか、赤城一族は陸海空を制覇したな〜」と言って笑う
「秋山1佐、そろそろ…」横から背広を着た(おそらく)自衛官が声をかける(1佐〜?)内心ビビる井上3曹「そうか、じゃあお父さんによろしく!」そう言って秋山1佐は立ち去っていった


594 名前:まいにちWACわく!その173 投稿日:04/09/04 14:20

「さっきの人は?1佐とはすごいな〜」と尋ねる井上3曹「秋山のオジサンは父の部下だった人です。いい人ですよ〜」
「確かあの人は地連部長じゃなかったかな?」いつの間にか側にやってきた宍戸3佐が言う「そうなんですか?」と赤城士長
いつの間にか木島曹長の姿も消えている「あいつビビりやがったわ」そう言って笑う井上3曹「もう赤城にはちょっかいかけて来ないやろな」
「そうなんですか?」疑問顔の赤城士長「ああいうタイプは自分より偉い人には絶対に逆らわへんからな〜」そう言って笑う井上3曹であった

演奏は順調に続いている。歓声や拍手もときどき聞こえる「楽しそうやなぁ…」と呟く。とその時
「よ〜う、みんな元気してるか〜?」陽気な声でやってきたのはバディーを連れて私服警戒中の小野3曹だ。ジーパンに開襟シャツという出で立ちだが、見る人が見れば一発で自衛官とわかる
「私服で警戒してる意味無いですやん」と井上3曹「そんな腕の太いヤツはそうそういないな…」と呆れる大沼3曹
「何でだよ、どっから見てもシテーボーイだろ?」そう言って腰に手を当てる小野3曹「…どうでしょ〜」苦笑いする赤城士長
「そういや三島は?」「アイツは外周警戒しとるよ。暑い中大変だねぇ〜」とまるで人ごとだ
バディーがちらりと小野3曹の方を見る、確か他中隊の陸士だ「おぅスマンな、じゃあ行くぜ」そう言って小野3曹は立ち去っていった

予行は順調に終わり、受付は帰る人でごちゃ混ぜになっている。相変わらず椅子に座って何もしない木島曹長の姿も…


595 名前:まいにちWACわく!その174 投稿日:04/09/04 14:22

「ふ〜終わった終わった」宿泊してる駐屯地に帰り、高機動車から降りて背伸びをする赤城士長「お疲れさん」と大沼3曹が声をかける
「さて、どこ行く?」「なんかうまいモノでも…」「ガイドブックあったっけ?」みんなも外出に気が向いている。ところが…

「おぅ、全員集まれや」と木島曹長が全員を集め言った「外出する前にやる事やってけや、あー?」顔を見合わせる隊員たち「やる事って?」
「部屋の掃除と服のアイロンがけ、靴磨きとかあるだろうが、あー?ちゃんとやってけよ。遠戸!指導しとけや」そう言い放ち、木島曹長は歩き去っていった…

少し呆然とする隊員たち「…なんて?」「何だよありゃ…」不満が噴出する「え、えと、あの、じゃぁ掃除から、ね?」慌てたように遠戸2曹がみんなに声をかける
言われたからには仕方ない、外来の部屋に戻って掃除を始める「あの〜私はどうしたら?」赤城士長が遠戸2曹に聞く「WAC隊舎の部屋掃除ですか?」
「え、えと、そうだね。うん」「点検は?」「え、あ、じゃあ無しで…」よくわからない事を口走る遠戸2曹。普通は男子隊員がWAC隊舎に入る事はない
「服とかはどうしたらいいんですか?」苛ついたように聞く赤城士長(実際苛ついてる)「え、あ、後で持ってきて」「わかりました…」
立ち去ろうとする赤城士長に井上3曹が声をかける「ホンマに掃除する事無いで、どうせ明日やるんやから」「は、はい…」


596 名前:まいにちWACわく!その175 投稿日:04/09/04 14:23

そう広くない居室なので掃除は1時間ほどで終わった「じゃ、じゃあ靴磨きとアイロンがけね」そう言って遠戸2曹は短靴を二つ(木島曹長の分?)と靴手入れ具を持って外に出て行った
「…ったく」不満たらたらと言った感じでみんなが靴磨きと3種制服のアイロンがけに向かう
「終わりましたよ。どうですか?」赤城士長が遠戸2曹に制服と靴を見せに来た「え、あ、うん、合格」ろくに見もしないで言う
「…」何か言いたそうに立っている赤城士長「え、な、何かな?」「外出は…いえ、やっぱりいいです」みんな終わるまで外出なんかできないな…と思う赤城士長であった

全員が靴磨きとアイロンがけを終わらせてやっと外出できるようになった時には、日が西に傾き始めていた
見ていたかのようなタイミングでどこかから帰ってきた木島曹長が全員を集めてネチネチと説教じみた事を言う
「だいたい支援てのは仕事だぜ、あー?遊びに来てるんじゃねえんだぞ。今からの外出あくまで『好意』だからな?あー?」ジメジメの面目躍如と言ったところか
「いらん事しやがったら全員帰ってから外止めにするからな、あー?わかってんのか?」全員渋々と言った感じで頷く「22時までに帰ってこいや、別れ!」

「くっそ〜ムカつくぜジメジメのヤツ!」「だいたい自分は靴磨きも何もしてねぇじゃねぇか!」「誰かアイツを殺してくれよ〜」営門に向かう道すがら、不満を爆発させる陸士達
「まぁまぁ、外出できるようになったんやからええやん。あんなヤツの事は忘れて楽しんでこいや」と陸士達をなだめる井上3曹「井上さん、頭来ないんですか?」誰かが聞く
「オレはシャバで客商売もしとったからな。ま〜理不尽はどこにでもあるもんや。ああいうは忘れるに限るで!」


597 名前:まいにちWACわく!その176 投稿日:04/09/04 14:24

身分証を見せて営門を出る。門のすぐ側にあるバス停からしか街には出られないようだ「井上、お前はどこに行くんだ?」大沼3曹が聞いてくる
「大人の特選街にでも行ってきますか〜」つまりは風俗だ「大沼3曹も行きます?」「オレはいいや、かみさんに殺される…」肩をすくめる大沼3曹
「特選街?」後ろから声をかけたのは赤城士長だ「うわぁ!」ビックリする井上3曹「特選街って何ですか?」そう言って赤城士長は井上3曹の顔を見上げる
「何でもない、何でもないで〜それより赤城、同期と遊びに行くんやないんか?」ごまかして話を変える「行きますよ。でもだいぶ遅れちゃったなぁ…」
「ホントは昼からの約束だった?」大沼3曹が聞く「そうなんです。まったく…」珍しく怒りをあらわにする

街の中心部にある駅前のバス停でみんなが降りる。大沼3曹と陸士達は飲みにでも行くようだ。井上3曹は小野3曹と合流して『大人の特選街』に前進する
赤城士長は駅前で同期たちと合流する「ごめ〜ん、待った〜?」曹学の同期4人が手を振ってくる「やっと来た〜」「大変だったねぇ」
女3人寄ればかしましい、たちまち話が始まった「取りあえず飲みに行こっか!」


598 名前:まいにちWACわく!その177 投稿日:04/09/04 14:32

「かんぱ〜い!」駅前の居酒屋で女5人の宴会が始まった「うわ〜そのジメジメって最っ低ね!」「いるいる〜そんなヤツ…」まずは『部隊のイヤなヤツ』の話で盛り上がる
「細かい事ばっかり言うヤツっているよね〜ウチは小隊長がそうなのよ」と言うのは施設群所属の土田士長
「ウチはWACの1曹でさぁ…肩肘張りすぎてるのよね〜」とは武器大隊の工藤士長。土田士長と工藤士長は今回、チアガールとして参加している
「ウチは書類バカの隊長!男のクセにネチネチしてて…」と通信群(基地通信)の砺波士長
「何がイヤって先任よ〜配属されていきなり『臨勤行け』だもん」清原士長は赤城士長と同じく普通科中隊に配属されている
砺波士長は通信関係(アンプ等)の調整、清原士長は接遇である
「結局どこも同じか…どんな職場にもいるんだろうね〜」と赤城士長「まだ龍ちゃんは恵まれてる方じゃない?」とは清原士長だ
確かにいきなり臨勤を命ぜられるような中隊よりはマシかな…と口には出さずに考える
「WACってだけで扱いが変わるのよね〜」いつの間にか清原士長のグチ聞きになっている「結局さ、部隊通信行く事になっちゃったし…」
「じゃあ陸教は仙台?」土田士長が聞く「そうなりそう…普通科中隊に来た意味が無いよ〜」
清原士長も赤城士長に劣るとは言え体力は人並み以上にある。バスケ部所属でインターハイにも出場経験があり、普通の男性よりは遙かにタフだ
「も〜あの先任変えてほしいよ〜」「まぁまぁ…飲んで飲んで!」砺波士長がビールを注ぐ。ちなみに赤城・清原以外は全員20才以上だ
そんな同期の嘆きを聞き自分の事を考える赤城士長(私はけっこう恵まれてるな〜)

カラオケで歌いまくってストレスを発散し、時間通り2200までに帰ってきた赤城士長。同期たちと久々に遊びストレスも発散できたようだ
(よし、明日は頑張るぞ!)と決意して消灯ラッパを聞きつつ眠りにつく赤城士長であった



602 名前:専守防衛さん 投稿日:04/09/04 23:17

「三島〜 お前はこれからどーするんだ?」と小野3曹が問う
すると三島が逆に「小野3曹はどーするんですか?」と逆に問う


603 名前:専守防衛さん 投稿日:04/09/04 23:31

二人が会話をしている場所・・・ それは3トン半の中であった。警備を任された二人・・・
受け付け組は昼に作業を終え帰ったが、警備組は少し遅れて、宿泊駐屯地に移動していた
異様な光景だった。警備組の特徴なのだが。私服を着ていながらライナーをかぶっているもの
制服姿にライナー 3トン半でなければ異様な集団だろう
そんな移動中、私服 ライナーの小野3曹が制服、ライナー姿の三島の問いに答える
「あぁ 俺は今から本管の竹川とパチスロ行ってくるぞ
で勝ったら夜は飲みだ」 同じ警備班の竹川3曹は小野3曹と新教の同期だった
さらに小野は続ける「どーせ、みんなすでに外出しているだろうからさ、受け付け組は受け付け組で遊べばいいし、うちらはうちらで遊び行った方いいだろ?」


604 名前:専守防衛さん 投稿日:04/09/04 23:42

「で、どうだ、お前も暇なら一緒に行くか?」と小野は三島に聞く
「いゃ〜 俺スロットも酒もやらんから遠慮しますよ〜」と三島
「そうだったよな、じゃ、あれか?今日は外出しないのか?」と小野が聞くと三島は「いえいえ、さっき雑誌見てて、ここの近くに評判いいラーメン屋あるみたいなんで、そこ行きますよ〜」
「一人でか?」と小野が聞くと「はい、どーせ、みんな飲み行くでしょうからね、それに混じっててのも、今は冷やかししか受けないから・・・」
冷やかし・・・ 奇跡とも言える曹候合格 バッチを付けて間もない三島はいささか、ウンザリしていた
ミラクル三島 奇跡を呼ぶ男 最強大穴戦士・・・
言えばきりがないくらい、中隊は勿論、連隊の知り合いに言われ続けていたのだ


605 名前:専守防衛さん 投稿日:04/09/04 23:52

何時しか車は駐屯地に到着していた。「下車!」と警備班長の声が響く
明日の指示を受け、解散をする 他の部隊は宿泊建物も違うようで三島達とは反対へ歩く
外来の玄関に三島や小野が入ると、井上が立っていた。「あれ?外出しないんか?」と小野が問うと、「奴のわがままが発揮されてなぁ」とため息まじりで喋る
その言葉に三島も小野もすぐ理解し 「三島、すぐにうちらは、でるぞ」あとからなんか言ってきても「知らなかった」で通すからなと小野が言う
数分後・・・井上の理解を得て、小野と三島は逃げように外来、駐屯地をあとにした
そして、それぞれ目的の場所へと移動したのだった


606 名前:専守防衛さん 投稿日:04/09/05 00:03

三島が向かうその場所 三平ちゃんラーメン
ふざけた店名のわりに客は入っていた 雑誌をみるかぎり、スープはトンコツ白濁をベースとし、トリガラベースでつくった醤油
塩のスープを混ぜてつくる店 見た目はコッテリ
しかし、食べてみると以外にあっさり 略してコッサリラーメンと言うのがウリである
三島は塩チャーシュウを注文した 昼に出された弁当もわずかだけ食べ、あとは残飯にしたのはこの為であった
「塩チャーシュウおまち!」威勢よい声とともに、ラーメンがでてきた。
うっ! 旨い!通常、塩ラーメンは味をごまかせない事でしられている
自称ラーメン通の三島もここまで旨いと思うラーメンに出会った事がなかった


607 名前:専守防衛さん 投稿日:04/09/05 00:06

ついに、この日、そして、この店ができた。
三島のラーメンチェック浮ノ百点の店が出来たのだ!


608 名前:専守防衛さん 投稿日:04/09/05 00:14

誰かに教えてあげたい と言う衝動が走る。
やっぱり女の子だよなと考えるあたりは曹候になっても変わらない三島
と、なると、一番この店にこれそうな人はと・・・
と考える そして、電話をかける三島 プルル〜「こちらは〜
お留守番サービス」 「青木ちゃんでないか」そう呟く三島
まぁ、また、今度だな。試験合格報告もしなきゃならんし!と考えながら、一人どこかへ、消えて行ったのだった



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