負け犬たちの夜 解説

陸上幕僚長から武山少年工科学校の3等陸士まで、期間の長短はともかくほぼすべての隊員が「営内生活」というモノを経験してます
営内生活は…はっきり言って楽なんですよね
規則ずくめで外出時間も限定されて、プライバシーなんて無いも同然。営内点検ともなるといっせいに清掃しなければならず、持てる私物も限られてくる…と、一見暮らしにくいように見えます
(実際「集団生活が合わない」と退職したり脱柵したりする隊員もいます)
しかし、食事代はタダだし家賃もない。電気代は取られますが、水道代は取られない。期間限定ですが生活隊舎なら冷暖房も完備されています
営内生活に慣れてしまうと、結婚するメリットというモノが感じられなくなってしまう…これもまた独身隊員が多くなる原因の一つでもあります
それに若いうちに結婚した隊員は、その給料の安さから生活的に苦しくなる…という事例を見ていると、やはり「独身でいいや〜」と考える隊員が多くなる、という事もあります
(自衛隊の営外者手当はそれほど高くなく、しかも独身時代の「給料全額小遣い」の意識が抜けない…こういった理由で若年営外者の生活は苦しくなることが多いようです)

しかしいつまでも古手隊員に居座っていられると困る…ということで(だけが理由ではないでしょうが)「営内者の外出基準の見直し」が行われる、と部隊内で噂が流れています
条件的には営外者になれる古手営内者を追い出そうという話ですが、果たしてどうなることやら…

全くの余談ですが、自分の周りには子だくさんの隊員が多かったです
結婚して子供のいる家庭では最低でも2人のお子さんがいて、最大5人の子持ち…という人がいました
公務員という(安くても)安定した収入がそうさせるのか、それとも体力的なモノか…理由はよくわかりませんが

少子化対策に「自衛官を多く結婚させる」なんてどうでしょう?


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